Play

The Riiiver Story

Episode 2 -
How We’re Building Riiiver

Riiiverというプロジェクトはどのようにして立ち上がったのか?
Riiiver開発を行う中で、どのようなこだわりや困難があったのか?
3人のメンバーに開発の舞台裏を語ってもらいました。

シチズン時計株式会社 時計開発部 コネクテッド開発課 松王大輔

時計メーカーとして、シチズンが今やるべきことを考えた

Riiiverの根底には、時計を通じて、世の中のみなさんにクリエイティブな体験を提供したいという想いがあります。

シチズンは時計の開発にあたり、より薄く(Thinner)、より小さく(Smaller)、より速く(Faster)というような、「ER」の精神を大切にしてきました。今回のRiiiverは「人をERする」というのが大きなポイントです。

これまでは、時計に搭載する機能をメーカーが一方的に決めていた。そうではなく、一つひとつの機能をユーザーが自由に設計できて、好きなように使ってもらえるような時計を作りたかったのです。単にカスタマイズできる時計ではなく、さらにその一歩先を行く時計をRiiiverは目指しています。

開発の中で特に難しかったのは、サービスとしてあえて「余白」を残さなければいけなかったところ。

ユーザーに使い方を委ねるという意味で、仕様や機能をガッチリ固めないものを開発するわけですから、従来の時計作りとはまるで勝手が違うわけです。ある程度形ができてくるまでは、どのようなサービスなのか社内の人に説明するのも大変でした。

決められた機能を、決められた手順に沿って完成させるのではなく、「そもそも時計のこの機能は何のためにあるのだろう?」「ユーザーにとってより良い時の体験とはなんだろう?」など、時計のあり方を根本から突き詰めて考えるアプローチが必要だったのです。

「時計メーカーとしてシチズンは今、何をしなければいけないか?」をあらためて考える、いいきっかけにもなりましたね。

一人ひとりのユーザーが主役になれるという意味でも、シチズンという企業名を象徴するような、間口の広いサービスになるのではないかと感じています。

シチズン時計株式会社 デザイン部 シチズン・デザイン・スタジオ 岡崎利憲

デジタルの「あたたかさ」を感じてもらえるデザインに

Riiiverのユーザーインターフェースをデザインする上で、キーワードとなったのが「あたたかいデジタル」です。

今の世の中は、さまざまなデジタルデバイスの普及によって、とても便利になっています。その一方、デジタルなものに囲まれる生活にどこか冷たさを感じることもある。そこでRiiiverでは、私たちのフィジカルに訴えかけてくるような、あたたかさを感じさせるデザインを意識してみました。
例えばRiiiverに対応する腕時計「Eco-Drive Riiiver」では、光の表現にこだわっています。シチズンは「エコ・ドライブ」という光発電の腕時計を作り続けてきたこともあり、“シチズンらしさ”を表現する上でも、重要なポイントになると感じていました。

他にも、Eco-Drive Riiiverのアプリケーション画面の背景グラデーションが、時間帯によって変化していく工夫。昼の時間は明るい水色だけど、夕方になると夕焼けのような色に変わり、だんだんと暗くなっていく。リアルな時間経過とリンクさせることで、アプリを開いたときに現実とのつながりを感じてもらえるようにしています。

実物がある時計のプロダクトデザインと違って、今回のようなアプリケーションデザインは、画面上で、いかに質感や手ざわりなどのフィジカルな感覚に訴える表現ができるかが難しいポイントでした。
画面上のみで質感を表現するのには限界もあるので、「Riiiverを通じて、どのような体験を提供するか?」という方向にマインドを切り替えて、デザインにも反映させていきました。先ほど述べた、現実の時間とリンクした画面の変化もそうした体験の一つです。

そのようなディテールへのこだわりから、Riiiverに込めた「あたたかさ」を感じてもらえたら、とてもうれしいですね。

株式会社ヴェルト 代表取締役 CEO 野々上 仁

時計の機能そのものをユーザーの創意工夫に委ねる

ヴェルトとシチズンさんとの出会いは、スイスで毎年開催されているバーゼルワールドという時計の見本市でした。日本のベンチャー企業でスマートウォッチを開発しているメーカーの出展は珍しかったため、興味を持っていただいたようでした。

その後、日本に帰ってからもシチズンさんとは何度かお話をする機会があり、次第に今の時代にマッチした時計のあり方を一緒に考えるようになっていきました。

「今までの時計はメーカーが完成した機能をユーザーに一方的に押し付けていたのではないか?ユーザーの創意工夫で機能を自由に組めるような時計は作れないか?」
ディスカッションを重ねる中で、そのような共通の問題意識を共有するようになり、Riiiverのプロジェクトに共同で取り組むことになったのです。

シチズンさんが過去に開発した時計を見ると「この時代にこんな先進的な時計を作っていたのか!」と驚くものがたくさんあります。それはつまり、100年以上に渡り時計を作り続けてきた歴史の中で、常に新しいチャレンジに挑み続けてきた証でもある。

そうした攻めの姿勢は、プロジェクトメンバーの顔ぶれを見ても分かります。プロジェクトチームには、シチズンさんの社内から部門横断的にさまざまな人材が集まっていますが、みんな一様に好奇心とチャレンジ精神が旺盛な人たちです。

新しい課題が出てきたときはタスクの優先順位を柔軟に変更したり、ミーティングの議題は次に持ち込さずにその場ですぐ決着させたりと、スタートアップ企業のようなスピード感のある意思決定やプロジェクト進行も意識しました。

シチズンさんは、時計作りにおいて歴史と実績を兼ね備えた世界有数の時計メーカー。そんな企業がRiiiverのようなプラットフォーム・サービスを新たに発信するのは、ものすごく意義のあるチャレンジだと確信しています。